ロケット

我々人類は、有史以来、土地や資源などの利権を巡って、戦争を繰り返してきました。
それは、今も続いていて、地球上では戦争が今だになくならず、日本という平和な国に暮らしていることが不思議に思えてしまうほど。
ところが、その利権争いの舞台がこの地球から宇宙へとシフトする時代へととうとう突入したのです。


第二次世界大戦後、アメリカとソ連冷戦時に宇宙開発は一気に加速しました。
アポロ計画が進み、人類が宇宙へと、月へと足を踏み入れたのも結局は宇宙への利権と国家間の牽制にありました。

以前、「このままでは日本は出遅れてしまう・・・各国の有人宇宙飛行計画が進む中日本は・・・」という記事で今、アジア諸国が宇宙への進出を進めているという話を紹介しました。
そして、それはどんどん現実に進んでおり、「これはひどい・・・中国が“月”を軍事基地にする計画を発表、月面探査機「玉兎」はその始まりなのか?!」や「既に中国の月の軍事化計画は進んでいる?!月への移住計画「月宮一号」の開発と宇宙の未来」でも紹介したように特に中国の宇宙開発が着々と進んでいます。

そして、10月24日、そう正に今日から26日の間に月の軌道を周回後、地球に戻る実験用の無人探査機を打ち上げるという計画を中国が始めたのです。
すでに宇宙船“神舟”による5回もの有人宇宙飛行を実施、去年は成功ではなかったものの月面探査機「嫦娥」を月に送り込んでいます。

舞台は“月”へ。

人類の未来への宇宙への憧れの探求からのものではなく、中国は本格的にまず“月”の利権を奪いに来ているのです。
今日正に進んでいる月への無人探査機を送り込む計画も、月の軍事基地、そして、各国を監視する衛星を月に配備する下調べ。

月は、今のとこ誰のものでも、どこの国のものでもありません。
ですが、このまま行くと、確実に“誰かの”、“どこかの国”のものになっていきます。

月の事もヤバそうですが、地球の衛星軌道上も今大変危険に満ちています。
経済成長を遂げ、お金も、技術も持ち合わせてきた中国の衛星の技術レベルが脅威になりつつあるのです。
衛星、つまり宇宙からの地球監視、そして中国の他国への衛星攻撃(衛星破壊兵器)、これが現実化しつつあるのです。

こういった中国の動きを脅威とし、日米両政府が宇宙の“監視”を強化。
アメリカの米軍と日本の自衛隊が今後強力し、新しい宇宙の特務機関を作る事を発表したのです。

表向きこの発表の目的は「宇宙の平和利用」のため。

ただ、過去の歴史を見ても、軍事利用こそ最大の技術進歩を進めてきた要因であることは間違いありません。
インターネットができ便利な世の中になったのも、衛星が打ち上げられ天気がわかったりGPSという便利なものが出来たのも、飛行機が素晴らしい移動手段になったのも。

「宇宙の平和利用」

中国の宇宙への軍事介入を脅威としているので、結果、当然日米で進めるのもそれに“対抗”する手段。
先に述べたとおり、宇宙開発の歴史は、戦争ではなかったものの米ソの冷戦によるものでした。
ここから加速するだろう各国の宇宙開発の促進も、ここから先、人類の探究心ではなく“軍事”に重きを置いた開発戦争になっていくことは目に見えているのです。

そして、嫌なことに物理学者などが世界の真理への探求で宇宙開発を進める予算は削減するくせに、軍事には予算を割こうとする各国政府。
アインシュタインも原爆を生み出すためにE=mc²を導き出したのではない。

宇宙人が地球を攻めこむんではなく、地球人同士が争うために・・・
そんな未来になんてならないように。
宇宙というただ、太古から人類が地球から見上げる神秘の星空へ想いを馳せる場ではなくなりつつあるこの状況をどこかで反転し、本当に「宇宙の平和」を求めてほしい。