水星人類が宇宙に進出してから、小型ロケットやスペースシャトル、国際宇宙ステーション(ISS)などで様々な実験が行われてきました。

地球ではなく何で宇宙で実験を行う必要があるのでしょう?
地上で行う場合と、宇宙空間とで行う場合とでは、いろいろ違いがあり、宇宙で行う実験には好都合な“理由”があったのです。

具体的には、どういった違いがあるのでしょうか?
それをまとめてみると、宇宙での実験は主に次のような地球とは違う条件があります。

  • 微小重力
  • 高真空
  • 良好な視野
  • 宇宙放射線


“微小重力”についてですが、宇宙では、地球を回っているISSなどが自由落下運動をしているので、地上の100万分の1の重力しか働きません。
自由落下運動というのは、重力以外の外力が存在しない状況下での運動のことで、例えば地上だと空気抵抗があったりしますが、宇宙空間ではそれがないということ。

ものすごく小さい重力なので、宇宙空間では地上と違い、重さや比重の違いで物質が移動したり分離したりしません。
物質を混ぜたりすると、均一に混ぜることができるので、新しい物質・材料の研究が可能になるのです。

そして、この宇宙空間での“微小重力環境”では、植物や生物を利用した実験も行われていて、重力がどう影響するか?を研究しています。
火星へ人類が行く計画が進んでますが、長時間重力がない状態で宇宙を旅しますからこういった実験で人体へどのくらい影響を与えるかを調べていたりします。



そして、火星へ人類が行くなどこれからの人類宇宙進出にあたって今後問題になってくるあることも実験を繰り返しています。
それが、宇宙放射線。
地球は、磁気や大気が宇宙からの有害な宇宙放射線を防いでくれていますが、宇宙空間ではそのまま遮るものがないので影響を受けてしまいます。
宇宙放射線は人体には非常に良くないもの。
長時間大量に浴びてしまうとDNAを傷つけてしまいます。
これについても、宇宙空間で様々な実験が行われています。

更に地上よりもずっとメリットがあるのが、宇宙空間から行う天体観測。
地球では大気が邪魔をしてなかなか同じ条件での観測が難しいのですが、宇宙では遮るものがありません。
なので地球よりも好条件で観測が可能です。

このように宇宙での実験は様々な地球との違いから意味のあるものなのです。

アポロ以降、月より遠くへ人類は行けていませんが、こういった研究が積み重なってこれから近い将来計画されている“火星”への人類到達につながっていくんですね。
はやくSFやアニメみたいに宇宙にだれでも気軽に受ける時代が来てほしいものです。