レーザー施設

今年は、アインシュタインの相対性理論からちょうど100年目となり、“光”に関わる様々な科学イベントが世界各国で開かれています。
その内のひとつ、東京大学安田講堂で開かれた国際光年総括シンポジウム~光の科学と技術の新たな飛翔に向けて~に12月11日に参加してきました。
その時の物理学者である村山斉先生のお話でアポロと月面についての話しがありました。

出典:ja.wikipedia.org


アポロ計画で月に“鏡”を置いてきた!!

アインシュタインの偉大な発見により、光の速度こそ普遍であることがわかりました。
それを利用し、アポロ宇宙船(11号、14号、15号)が月面にコーナーキューブによるレーザー反射鏡を設置して地球からレーザーを発射して月までの距離の測定を実は行っていた!のです。
その実験名は、「月レーザー測距実験」です。

用いられたコーナーキューブとは、光や電波を反射する性質を持った3枚の平面の板を互いに直角に組み合わせ、立方体の頂点型にした装置のことで、実際にアポロ11号で月に設置された装置がこちら!!

コーナーキューブ
出典:ja.wikipedia.org

アポロ14号

アポロ14号
出典:ja.wikipedia.org

アポロ15号

アポロ15号
出典:ja.wikipedia.org


3km離れたところから動く10セント硬貨をライフル銃で撃つようなもの

写真を見ても分かる通り、大きなものではなく、思ったよりすごく小さい装置です。
どんどん技術力も向上したことでその制精度は、“3km離れたところから動く10セント硬貨をライフル銃で撃つようなもの”とも言われるほどです。
ここに、地球からレーザーを照射し、それが反射され、地球に光が戻ってくる時間を観測したのです。

月までの距離は、下記の式で導き出すことができます。

距離 = (光速 × 往復の時間) / 2

現在もこのコーナーキューブを利用した様々な実証実験が行われているそうですが、アインシュタインの一般相対性理論は、月の軌道を高い精度で予測していたことが実験により実装されたのです。


アインシュタインの相対性理論から100年。
GPSなど様々な応用もされていますが、偉大な数式により、地球から月までの正確な距離が明らかになったのです。
更にこのことから、アポロが月に降り立っていたことも実証され、アポロ計画自体の真実味がますます高まります。
ですが、未だアポロ以降人類は再び月には降りたていないのも事実です。